自宅で天ぷらを揚げている時に鍋に火が移ったり、灯油をうっかりこぼして引火して火事になることもありますよね。
そんな時に大切なのは、初期消火です。
しかし、初期消火しても火の手がおさまらない時は、自分の命を守るためすぐに逃げることが重要です。
そこで今回は、火事の煙の危険性と火事で避難する際の注意点、用意しておくと便利な物などについてご紹介します。
火事の煙の危険性とは?
火事になった時、まだ火の手が小さいと思って油断してはいけません。火事の時に一番注意しないといけないのは、火よりも煙なのです。
煙は火災になる前から発生し、炎がまだ見えないような火事でも多量に発生します。
また、家の建物に使われている新建材やプラスチック類などは、燃え始めるより前に、熱によって塩素ガスや一酸化炭素などの有害物質を発生させます。
これらの有害物質が一定の濃度に達すれば、ちょっと吸っただけで意識を失います。
まだ意識を失う濃度まで達していなくても、目の痛みで目が開かなくなったり、喉や鼻が痛くて息ができなくなります。
火災で燃えている範囲が広がるには、ある程度の時間がかかります。
しかし、煙が室内に充満するのは驚くほど早いのです。
初期消火のために消火器を取りに行った数秒間で意識を失うことも十分考えられます。
なお、煙による一酸化炭素中毒は死亡するリスクが高いだけでなく、助かっても人体に後遺症が残ったりするなどのリスクがあります。
ちなみに、火災で死亡する原因の多くは、焼死する前に一酸化炭素などの有害物質を含んだ煙を吸ったことによる 逃げ遅れ です。
なので、火事になったら室内に煙が充満する前に、すぐに逃げることが大切です。
火事で避難する際の注意点とは?
火事で煙が発生している場合、避難するにも闇雲に逃げてはいけません。
火事の時に発生する一酸化炭素などの有害物質を含んだ煙は、通常の空気よりも温かいので、部屋の天井の方に昇って移動します。そのため、比較的にきれいな空気は部屋の下の方にまだ残っています。
そこで、有害な煙を避けて避難する際には、なるべく低い姿勢で体を低くして床を這う感じで逃げるのが効果的です。
また、避難する際には有害な煙を吸い込まないように、タオルやハンカチなどを水で濡らして口に当てながら逃げるようにしてください。さらに、火事になったら部屋の中や廊下などに物が散乱しているかも知れません。
逃げる時に余裕があれば、靴を履いたり軍手をするとより安全に避難できます。
さらに、普段から部屋の中にはすぐに履ける靴や軍手、防煙フードなどを用意しておくのも大切です。
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まとめ
自宅で天ぷらを揚げていて火事になったら、まだ火が付いたばかりの小さい炎の状態なら消火器で初期消火しても構いません。
しかし、天ぷら鍋から炎が天井まで上がってしまったら、自分で消火するのは無理ですから、急いで逃げてください。
なお、ホテルや旅館などで火災に遭遇した時は、煙がまわって外に避難できない状態ならまずは落ち着いて119番に電話して部屋番号を伝えましょう。
まだ煙が完全にまわっていないようなら、まず靴を履いて、タオルやハンカチで口に当てながら姿勢を低くして避難してください。
ちなみに、煙が階段の天井よりも下にきてても、階段と階段のすき間には比較的にきれいな空気が残っています。