花粉症の人って本当に多いですよね。
今では日本人の4人に1人がスギ花粉症だといわれています。
多くの方がスギ花粉の飛散が開始する2月から5月の中頃までは、マスクや目薬、ティッシュが手放せないのではないでしょうか。
そんな花粉症に悩むあなたは、舌下免疫療法という治療法をご存じですか?
スギ花粉症に有効な治療法の一つとして、舌下免疫療法が今注目されているんです。
そこで今回は、花粉症の舌下免疫療法の効果や費用、この治療が受けられない人などについて紹介していきましょう。
花粉症の舌下免疫療法の効果とは?
舌下免疫療法とは、アレルギーの原因となるスギ花粉の液を舌の下に投与して体を慣らしながらスギ花粉症を治すという治療法です。毎日少量ずつ舌の下にスギ花粉を原料としたシダトレンというエキスを服用しますが、副作用が少なくて、自宅で投与できるというのが大きな魅力となっています。
しかし、そんな舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)も、やった人の全員に効果があるわけではありません。
これまでこの治療を行った人のデータでは、このようになっています。
・30%以上の人は、かなり楽になって花粉症の薬を使う量が減った
・20%~30%の人は、症状はまだあるが以前より楽になった
・10%~20%の人は、治療の効果はなかった
つまり、花粉症の舌下免疫療法は、約8割以上の人に効果があるが、1割~2割は効かない人もいるということです。
花粉症の舌下免疫療法の副作用とは?
舌下免疫治療法に使用する薬は合成された薬ではなく、自然の杉の木の花粉から抽出して作られます。
そのため、副作用は極めて少ないそうです。
しかし、舌下に投与した直後にアナフィラキシーという強いアレルギー反応を起こす可能性があるのも確かです。
確かに、スギ花粉にアレルギー反応がある人に、そのスギ花粉を使って治療しようというのですから、少なからずアレルギー反応が起こる可能性はあるはずです。もっとも、この時のアレルギー反応は副作用ではなく、医学的には副反応と呼ぶそうです。
そんな副反応は軽いのがほとんどで、今まで舌下免疫療法をやって直ぐに治療を中止ほどの副反応が出た人はいないそうですよ。
花粉症の舌下免疫療法の費用はどれくらい?
以前から花粉症に対する免疫療法は、皮下免疫療法と舌下免疫療法がありましたが、保険が効かないため費用の面でネックになっていました。
しかし、舌下免疫療法が2015年10月から保険適用になったことで治療を受ける人も増えてきたそうです。
舌下免疫療法の治療費用は保険適応3割負担の場合で、1ヵ月あたり2,000円~2,500円程度の負担で済みます。
なお、舌下免疫療法はスギ花粉が飛散する時期だけでなく、1年を通じて治療を継続する必要があるので、毎月2,000円~2,500円の治療費がかかるということです。さらに、治療開始前の検査費用や1年に1回程度の検査費用が、それぞれ5,000円程度がかかるそうですよ。
花粉症の舌下免疫療法の治療を受けられない人とは?
スギ花粉症に効果が期待できる舌下免疫療法ですが、治療が受けられない人もいるそうです。
花粉症の舌下免疫療法の治療を受けられない人
● 毎日舌の下にアレルゲンエキスの服用が継続できない人
● 2週間に一度の受診が継続できない人
● インデラルやセロケン、テノーミン、アーチストなどのβ阻害薬を使用している人
● 視覚異常や視野狭窄、不整脈などのアナフィラキシーの前兆に気づけない人
● 全身ステロイド薬や抗がん剤を使用している人
● 気管支喘息がある人
● 妊娠中の人
これらの項目に該当する人は、舌下免疫療法の治療は受けれません。
なお、ここで注意しておきたいポイントは、花粉症の舌下免疫療法はスギ花粉にしか効果がないということです。つまり、スギ花粉以外のヒノキやイネ科、ブタクサ、ヨモギなどの花粉症の方には効かないので注意してくださいね。
まとめ
今回は花粉症の舌下免疫治療法の効果と副作用、費用、そして、この治療が受けられない人などについて紹介してきました。
苦しいスギ花粉のアレルギー症状に悩む人にとって、舌下免疫療法は救世主的な治療法かも知れませんね。
そんな舌下免疫療法の保険適用がされても、まだまだ治療を受けられる病院や医院などは少ないようです。
ちなみに、舌下免疫療法の治療はいつから始めるのかというと、スギ花粉の飛散が始まる3ヶ月以上前から開始するのが一番効果的だそうですよ。